−伝　心−　　２００６．１．６　　文香

楽しいとか感じられなくても、ただ伝えたい…

不器用な愛し方しかできない悲しみを取り除いてあげたい。

先の未来に隣にいるのが私じゃなくても、

失うことへの恐怖を感じて足踏みしてる状態から、 抜け出して欲しい。

そんな風に思って一緒にいるけれど、

伝え方が分からない。

束縛して、思う通りの恋人なんて作ったって、 虚しいだけなのに。

気に入りの外見に望みの中身を入れ込んだって、

そんなの…ただ人形を得たいだけと何ら変わりがないのに。

失うのが怖くて愛するのが怖くて、確証が欲しくて、

離れていかない保証が必要で、確認する…隔離する。

それじゃ、相手を否定するばかりで、

“心”を“受”け容れてることにはならないよ。

本当は誰より愛されたいと、

愛したいと思っている貴方なのに…。

ありのままの相手を受け容れれば、

誰一人として離れてなんかいかないのに…。

それだけ、素敵な人なのに…。

一緒にいると自分が否定されてるような気がする時がある。

大切なものを失って、したくないことをして、

こんなの私じゃないって…そう思って苦しくなる。

そのままを受け容れてくれないの？って…思う。

こんな愛し方じゃ…

きっと貴方も貴方が愛する人も苦しいだけ…。

分かるから…貴方が不安を抱えているのが分かるから…

失った痛みがどれほどのものか気付いてしまったから…

だから、分かって欲しい。

…私が側にいる間に、ちょっとだけでも気付いて欲しい。

先の未来に横にいるのが私じゃなくても、

貴方がありのままを愛せる女性が私じゃなくても、

ただ貴方と貴方の愛する人の未来のために…

貴方の温かな幸せのために…私は、伝えたいんだ。

愛することを失うことを恐れないで欲しいんだ。

『傷つきたくなかったら、誰も愛さないことです。

それでも、人を、街を、多くのことを知り、

愛してください』

母がくれたこの言葉を、私から貴方に。

どれだけ苦しくても傷ついても、

側にいられる間だけは微笑んで、伝え続ける。

…貴方に必要じゃなくても、結局無駄になっても…。

私が惹かれた貴方、私を選んだ貴方に、

不安などない幸せな未来を歩んで欲しいから…。

けれど、どうやったら伝えられるんだろう…。

…分からないよ。難しいね。

ＢＡＣＫ