−必 要− 2004.9.6 文香
「忘れないでね。」「また会おうね。」
そう言われて、私はすごく泣いてしまったけど…
本当に言いたいのは、私の方だよ。
私が忘れることは一生ないから…。
ねぇ、本当はね…。
少し、後悔してるんだよ。
知らなければよかったのかもしれない。
近づき過ぎなければよかったかもしれない。
不思議だね、浮かぶのは同じ顔ばかり…。
もっと一緒にいたかった。
おかしいよね、周りにはこんなにも素敵で大切な友達がいるのに…
会いたくて会いたくて、涙が止まらない…。
ねぇ…私は迷惑ばっかりかけてしまって…
ほんの一瞬の、仮初の友情だったかもしれないけど…
いいえ、もしかしたらそこに友情なんて無かったのかもしれないけど…
どうか刹那で構わない、私のことを思い出してください。
ねぇ…私はこんなにもちっぽけな人間で…
大きな優しさに、大切にされてただけだって分かってるけど…
ただただ、あなたが言いようもなく優しいからだって分かってるけど…
どうか思い出の中だけで構わない、私が必要だとそう思って下さい。
遠い…ね。
この広い世界に…
血の繋がりもないけれど、
ただ私の存在を必要だといってくれる人が、いるといいな。
…私には…過ぎた望みなのかな……?
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